公募価格で買って初値で売る

IPO投資の醍醐味は、「公募価格で買って初値で売る」ことだ。典型的なIPO銘柄は上場後の初値で急騰し、その勢いで高値をつけた後、急落するというパターン。それも数分~数日という短期間で価格が変動する傾向がある。その意味では、公募価格で買って初値で売るのが、一番安全な投資法といえる。

しかし初値売りの人気は高く、公募株に当選するのは至難の業。それに、店頭営業をしている証券会社は億単位の資金を預け入れる「お得意様」を優遇する傾向がある。各社の抽選方式は任意とされているので本当のところは分からないが、実情としては、証券会社の営業ツールにもなる公募株は大口投資家のところに回ることが多い。

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初値で買って数分後に売る

公募株に当選するのが難しいため、初値で買って、直後の高値で売る戦略を取るデイトレーダーが増えている。

連騰銘柄を買って3日後に売る

新規上場後にストップ高をつけて、数日間その勢いが続く場合がある。上場前の下馬評が高く、高成長が期待される銘柄などにこの傾向が強く表れる。こうした連騰銘柄に乗るときには、「ストップ高は3日目に売れ」という兜町の投資格言を思い出し、買われすぎる前に一度手放すのも一つの手だ。

上場後の急落局面で買って上げ局面で売る

目下のIPO市場では、公募株は当選しにくいし、上場直後は株価が乱高下してリスクが高い。そこで2、3カ月後こそ買い場と見るのも手だ。IPO銘柄は上場直後に過大評価される傾向が強いが、この「IPOプレミアム」がはげて実相場に落ち着くのは、だいたい上場の2、3カ月後である。

チャート分析

チャートを見れば、実相場なのかどうか判断しやすい。典型的なIPO銘柄は初値から山を描いた後に下落し、2、3カ月後に底をつける。

ただし、ここからV字型の急反発を描くことはあまりない。一定の株価にへばりついた「なべ底」状になることが多い。初期のブームが去ったため、出来高が低くなっているのも特徴的だ。おそらく小口の投資家が指値で買いを拾っている状態なのだろう。

「なべ底」でも割安・割高は自分で判断

もちろん、チャートが「なべ底」を示していても、割安か割高かは自分で判断しなければならない。業績やその後の成長性など判断基準は普通の株式と同じと考えていい。ただ、手垢がついていないだけに、その後の株価の動きが読みやすいというIPOならではのメリットもある。

また、このころから証券会社のアナリストも徐々に企業リポートを書き始める。本当の意味での成長性が織り込まれていくためだ。