世界の大型IPOランキング~歴代
世界のIPO(新規上場)の歴代ランキングです。上場時の調達額が大きい順に順位をつけました。1位は2019年12月に上場したサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコです。史上最高(最大)の256億ドルを調達し、時価総額でも世界1位の企業になりました。2位は中国のネットショッピングの「アリババ」(阿里巴巴集団)。3位は中国農業銀行、4位は中国工商銀行です。日本からはニューヨークとロンドンに1988年に上場したNTTドコモが7位になっています。スナップアップ投資顧問や米調査会社ディールロジックの資料を基に作成しました。
順位 | 企業名 (国・地域) |
上場時期 | 調達額(初値ベース) |
---|---|---|---|
1 | サウジアラムコ (サウジアラビア) 説明 ▼ |
2019年 | 256億ドル |
2 | アリババ (中国) |
2014年 | 250億ドル |
3 | 中国農業銀行 (中国) |
2010年 | 221億ドル |
4 | 中国工商銀行 (中国) |
2006年 | 219億ドル |
5 | AIA (香港) |
2010年 | 204億ドル |
6 | ビザ (アメリカ) |
2008年 | 196億ドル |
7 | NTTドコモ (日本) |
1998年 | 183億ドル |
8 | ゼネラル・モーターズ(GM) (アメリカ) |
2010年 | 181億ドル |
9 | ENEL (イタリア) |
1999年 | 174億ドル |
10 | フェイスブック (米) |
2012年 | 160億ドル |
11 | NTT (日本) |
1986年 | 136億ドル |
12 | ドイツテレコム (ドイツ) |
1996年 | 130億ドル |
※調達額は単位億ドル。アリババは追加発行が実施された場合の最大の金額。カッコ内は追加発行がない場合。同社以外は調査会社ディールロジック調べ。GMは再上場時の数字。
1位:サウジアラムコ
2019年12月、サウジの証券取引所(タダウル)に株式を上場した。
全株式の1.5%を売り出し
上場では、全株式のうち1.5%を売り出した。初値は値幅制限の上限となる35.2リヤル(約9.4ドル)だった。売り出し価格の1株32リヤル(約8.5ドル)を10%上回った。
2.8兆円を調達。アリババを抜く
上場による調達額は256億ドル(約2.8兆円)だった。2014年の中国の電子商取引最大手アリババ集団(250億ドル)を超えて過去最大となった。
資金は、石油依存からの脱却に活用
調達した巨額な資金は、サウジが進める石油依存からの脱却に向けた社会・経済改革に充てられた。紅海沿岸での観光リゾート地開発といった大型投資案件にも充当された。
製造業や観光業の振興
サウジはかつて、歳入の9割を石油収入に依存していた。だが、2014年以降の原油価格低迷で財政赤字に陥った。2018年には付加価値税(VAT)を導入するなど財源確保に努めた。2016年には、脱石油依存と製造業や観光業などの振興を掲げる社会・経済改革計画「ビジョン2030」を発表し、そのための資金獲得の目玉がアラムコ上場だった。
アップルを抜いて時価総額が世界一に
上場時の株式時価総額は約1兆8800億ドル(約204兆4000億円)。当時最大だった米アップルの約1兆2000億ドルを大きく上回った。上場と同時に、いきなり世界最大の時価総額となった。
成長企業の見分け方
成長企業を上手に見分けることができれば、株式投資の成功の確率は高まるでしょう。成長企業を見きわめるためには、なぜ企業が成長しているのかという視点から整理することが大切ではないでしょうか。
成長戦略と競争戦略
成長企業の見分け方には、大別すると2つあると言われます。一つは「成長戦略」で、もう一つは「競争戦略」です。成長戦略とは、新しい製品やサービスを提供して、新しい市場を開拓しながら成長していく戦略です。
一方の競争戦略とは、競争相手である他社に打ち勝つことで成長していく戦略のことです。競争は、今後の大きな伸びが期待できそうにないすでに成熟している市場はもちろん、いまなお拡大しつつある市場でも十分にあり得ます。競合他社に勝つためには競争戦略が必要です。
成長の5つの要素
ではまず、成長戦略からです。現在の成長戦略を考える際の、新しい市場を開拓する要因は5つあると考えます。それは、
- 技術革新
- 新サービス
- 地域拡大
- 必ず起こること
- 生命
です。
技術革新
技術革新とは、たとえば、今日のエレクトロニクス分野の飛躍的発展を可能にしたトランジスタや半導体(集積回路)の開発のようなことです。トランジスタや半導体が開発されたことで、電話、ラジオ、テレビ、ビデオ、コンピュータなどの普及が可能となりました。そして、そういった製品を次々と世に出した企業は長きにわたって成長することができたのです。当然、これからも技術革新は続き、その新しい技術をビジネス化できる企業を見つければいいのです。
新サービス
新サービスとは、小売業界での24時間営業のコンビニエンス・ストアや運送業界における宅配便のような新しいサービスのことです。こういった新サービスは、私たちの生活を大変便利にしましたし、サービスを提供した企業も大きな成長を遂げました。
地域拡大
地域拡大とは、製品やサービスを提供する地域を拡大すること、具体的には、限定された地域でしかやっていなかったことを全国展開、海外展開へと地域をどんどん拡げていくことです。販売網を拡大することで成長するわけです。
必ず起こること
必ず起こることとは、避けることのできない、将来必ず起こることがわかっていること、たとえば、高齢化社会の到来や地球環境問題のようなことです。高齢化が進むことで生じる問題や環境汚染の問題は、放っておけばいずれ深刻なことになります。ですから、介護やバリアフリーに対応する、あるいは環境汚染に対処しようとする事業を行なうことで成長が見込める企業を探すのです。
生命
生命とは、これからまさに中心的なテーマとなるであろう生命、特に遺伝子に関わることです。遺伝子の解明が進めば、病気を生じさせる遺伝子を見つけて、従来は効果的な治療法がなかった難病を治療することも可能になります。そういった研究をしている、遺伝子情報から治療薬を開発しているような企業を探せばいいのです。
競争戦略とは
次は、競争戦略です。厳しい競争に勝つために最も要求されるものはスピードであると考えます。今日のように変化の激しい状況下では、いかに迅速に意思決定をして適切な行動がとれるかどうかが重要になってきます。将来的な事業見通しをある程度立てることができた時代から、不確実性や不連続性の高まる現在のような時代になると従来以上にスピードが求められるのです。
スピードが重要
スピードを出すためには、自社内の経営資源だけでなく、他社をも巻き込んだ展開もあり得ます。また、スピードがあれば、創業して間もない企業が歴史ある大企業を飲み込むことも可能な時代になってきました。時間そのものが競争力を決める経営資源になったと言えます。
競争戦略においては、スピードは非常に重要な要因であり、スピードある適切な行動のとれる企業を探せばいいのです。